歯科衛生士の冨田です。
以前キシリトールはむし歯菌が栄養として分解できないため、歯を溶かす酸の材料にならないと紹介しました。
ただし、食べ過ぎると下痢を起こすおそれがあるのは、注意書きにあるとおりです。
ではなぜお腹がゆるくなるかというと、キシリトールは糖アルコールの仲間なんですが、腸で吸収されにくいため腸内の糖アルコール濃度を薄めようとして腸に水分が集められます。お腹がゴロゴロ鳴ったり下痢になるのはそのせいです。
糖アルコールは一般に低カロリー(砂糖の約半分)で吸収されにくいので血糖値を上げず、インスリンの分泌も刺激しないので糖尿病の患者さんの食品やダイエット食品に使われます。
ほかにも「むし歯菌を減らす」とか「歯の修復(再石灰化)を促す」とも言われますが、意外にもその作用はごく弱いので過信は禁物です。
キシリトールを食べていれば歯磨きがいらないなんてことは、まったくないです。
キシリトールの最大の利点はむし歯菌などのお口の中の細菌のえさにならないことです。
低カロリーでむし歯の原因になりにくい一方、食べ過ぎるとお腹がゆるくなる糖アルコール。
正しい知識でキシリトールとお付き合いしましょう。